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1984年の危機

VIX指数も52まで下ってきて、ちょっと落ち着きを取り戻したかのようでしたが、また70に戻り、まだまだ恐〜い状態であることを思い知らされましたね。

1974年の危機をご紹介しましたが、今回は1984年の危機(かたや石油開発、こなた中南米へ過剰融資――。20年以上前にも、米国の大手銀行に激震が走った。当時の最先端金融に生じた問題は今にも通じる。)が日経ビジネスに載っていたので、抜粋してご紹介したいと思いま〜す。

「コンチネンタル」と「ハノーバー」の蹉跌に(1984年7月23日号より)

「大恐慌以来の銀行危機」−コンチネンタル・イリノイに対する史上最大の救済策が打ち出された直後,全米の主要新聞にこういう活字が踊った。コンチネンタルの危機の原因はそのほとんどが同行の経営の失敗にあるとはいえ,「強固に思えた金融システムが,こうまでもろいとは…」(シカゴ・トリビューン紙)という気持ちを米国民に引き起こした。しかも,危機に至るスピードは想像を超えていた。

ニューヨークの銀行の間では,日本の三菱銀行,大和銀行,野村証券のどれかがコンチネンタルを買うのではないかといううわさが出ていた。この話が日本に伝わり,まず,東京市場で「コンチネンタルが危ない。資金繰りがおかしい」と話が広がり,時計の針が動くのに合わせ,ヨーロッパ市場→ ニューヨーク市場と,各地の金融市場にうわさは僚原(りょうげん)の火のごとく広まった。

最初にうわさが出てから,わずか10日間。総資産410億ドルの銀行が破たん寸前まで行ってしまった。

(1)FDICと民間銀行7行(のちに15行に拡大)がコンチネンタルの発行する債券(サブオーディネイト・ノート)を購入する形で,FDIC15億ドル,民間5億ドルの長期融資を実行する(2)民間28行(モーガン・ギャランティ・トラストが幹事)が55億ドルのスタンド・バイ・クレジットを準備する(3)連銀はコンチネンタルの資金繰りの要請に無制限に応じる(4)FDICはコンチネンタルヘの預金者,資金供与先をすべて保証する――という,まさに米国の金融界が官民一団となってコンチネンタルを支えた。

世界の金融システムの中で,最も自由化が進んでいるのは米国であることは間違いない。その自由化のテンポと経営の対応が上手に行ったところと,失敗したところとの格差が大きく出てくるのも,自由化の宿命だ。米銀が抱えていて,今,必死に修正しようとしている問題はまさにこの点にある。
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