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1974年の危機

日経平均もダウも、為替もちょっと上向きになってきました。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、「米国株式は買い時」ってNYタイムズ紙に寄稿したり、著名投機家ジョージ・ソロス氏も「株式市場は底値圏に近い」と述べたと噂されてたり、「100年に一度の金融危機」との悲観的警告を発していたグリーンスパン前米FRB議長も楽観的展望へと転換していることなどで、反転の兆候が見え始めている感じではありますが、もう底は脱出したのでしょうか?

「賢者は歴史に学ぶ」って聞いたことがあるので、ちょっと過去の危機の時はどうだったか、みてみたいと思います。

タイミングよく、日経ビジネスさんで特集が始まりました。

第1回目は、1974年にプレイバックです。

1970年代前半、第1次石油ショック後の世界を襲った「成長なしのインフレ経済」、74年、日本は戦後初のマイナス成長を体験、75年には主要国が経済回復に向けた主要国首脳会議(サミット)を初めて開催、そんな頃のお話です。

『高インフレ・低成長下、失速の危機はらむ』
1974年8月19日号より

世界経済はいま片肺飛行的な状態に陥っている。この結果、世界はこれまで経験もしなかった新しい型の不況に見舞われていると言っていい。その特徴は大きくいって次の二つだ。

2ケタインフレ下の景気後退=平和時では初めての2ケタ台のインフレが各国を直撃中。にもかかわらず、実質成長率はゼロに近い水準かマイナスに落ち込んでいる。過去、軽い「スタグフレーション」は経験したが、今回は深刻な「スランプフレーション」だ。戦後のインフレは経済成長という裏付けがあったが、いまはインフレだけが独走中。だから、不況感はそれほど強くないが、半面、これは完全なアルコール中毒症状的な経済体質なのだ。

供給不足下の景気後退=1930年代不況を引き合いに出すまでもなく、世界不況といえば、これまで生産過剰で需要がついていけないことが原因だった。だが、いまの様相は正反対だ。工業製品は総じて需給がタイトだし、一次産品も再び食糧を中心に値上がり気配を示し、総じて供給が足りない。資源、環境問題の制約は潜在的な成長力を押し下げる働きをする。そこへ高価格原油の出現だ。名目と実質経済のギャップはこの面からも拡大する。

深刻な世界不況への不安を常に抱きながらも、世界は成長なし(あったとしても非常に低い成長率)のインフレ経済という片肺飛行を続けざるを得ないということだ。当面の注目点はオイルマネーのリサイクリングを含めた金融面と、名目と実質経済のギャップの幅の動きだろう。日本の経営者にも「このギャップの幅が狭まったとたんに不況感が一気に出る」(岩越忠恕・日産自動車社長ら)という向きが多い。

悲観材料ばかり並べたてたようだが、この段階で楽観説を強調することは、それこそ無責任というものだろう。しかし、だからといって、回復まで10年以上もかかった1930年代の大恐慌の再現を予想する必要はない。その根拠はこうだ。

●需要創出策=いったん需要不足型不況に転じれば、直ちに、財政で需要をつける技術だけは各国ともすでにお手のものだ。もっとも、いま、それをやればブラジル型の「成層圏インフレ」に突入してしまう。

●国際協力=世界径済はたしかに、手探り状態でいつ危険な落とし穴にはまり込むかもわからない。しかし「30年代の悪夢は2度と繰り返したくない」という点では、各国とも考え方は一致しており、不況を輸出し合い、傷口を広げる愚はみな避けたいと考えている。

●経営マインド=30年代不況の引き金はガルブレイス教授も指摘するように、パニック的な心理状態がエスカレートしたことだった。いまのところ、企業家は各国政府が少なくとも30年代の二の舞いは避けるだろうと考えているし、インフレでみせかけの利益が確保されているため、それほど追いつめられた心理状況には至っていない。

それに「大型装置産業が比較的、好調なこと、北海油田をはじめ、各国で膨大な資源開発投資がみられること、共産国経済が比較的順調なことの三つが世界景気の下支えになっている」(河野力・新日本製鉄調査部長)という点も企業家心理を力づけている。

英国などでのヒステリックなまでに悲観色に塗りつぶされた論調も、恐慌説をばらまくことによって、産油国を牽制し、石油価格を引き下げさせようという深慮遠謀とも読める。

この重苦しい期間は「少なくとも向こう2年間」(T・ゲインズ、マニュファクチャー・ハノーバー・トラスト副社長)から「70年代残りのいっぱい」(M・エバンズ、チェース・エコノメトリックス社長)を覚悟しなくてはなるまい。暗く長いトンネルではある。

かつて、シュンペーターは、資本主義国が景気の自律回復ができず、政府がテコ入れに踏み切ったことを「酸素吸入器の中の資本主義」と冷やかした。しかし、ともかくも、それで一つの危機を乗り越えてきた。いま新しい酸素吸入器が再び必要になっている。ただし、今回はインフレを抑圧しながら、石油赤字を補てんするという高性能の酸素吸入器でなければならないだろう。


この頃も相当大変だったようです。

でも、脱出してます。

今回も、大丈夫?!


タグ:恐慌
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