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これからの経済見通し A

これからの経済見通し @』の続きで〜す。

 第1には、プラザ合意以降の先進国経済では、中央銀行が機能すれば、金融市場が原因の大恐慌は起きないのです。預金者保護と金融機関の連鎖倒産(システミックリスクというかっこいい言葉で呼ばれています)の防止のために、中央銀行が金融機関の保護と救済に当たることは、今は当然です。

 市場原理で動くはずの先進国の金融機関は、いまや国家や国際機関の保護を受けているのです。こうした保護がなかったら、1929年代の大恐慌のように、金融市場はまさに市場原理に従って暴落の連鎖を極限まで繰り広げたはずです。

 第2には、90年代までと違って、21世紀の世界経済の成長の中心は新興国に移りました。世界的な企業が生産拠点を新興国に移し、労働と不動産のコストが劇的に低下したために、いくら石油の値段が90年代の終わりの5倍程度に暴騰しても先進国では、10%を大きく超えるようなインフレが起きないのです。だから金利も低いままになります。

 すると不動産バブルの影響を受けていない世界の企業の収益は成長を続けますから、恐慌は起きません。

 第3には、サブプライムローン問題そのものが、新興国での高い経済成長を誘発してしまうのです。どうしてでしょうか。

 誤解のないように再度説明しますが、米国経済は大不況にならなくても、低成長が2〜3年は続くでしょう。過剰な住宅不動産投資によって発生した不良債権の裏側には、抵当流れで金融機関が引き取る大量の不動産があります。そうしたREO(Real estate owned)と呼ばれる在庫不動産の売却はこれから数年かけて行われます。

 その間、不動産価格の低迷や下落が続き、不動産の上昇を当てにした米国人の消費は低迷を続けることになります。不景気が続きますから、FRBはこれからの2〜3年は金利を大幅に上げることができません。むしろ、金利低下の要請が強くなります。これは、89年から93年末まで続いた前のバブルの崩壊と同じ原理です。

 そうなると、ドル金利は2%程度のきわめて低いレベルにとどまるでしょう。それは、経済が高成長を続け、当局が景気引き締めに躍起となっている中国やインドなどの新興国の企業や好景気にわくロシアや中東の産油国、世界中の投資家や金融機関にとっては、ドルでの資金コストが極めて低いレベルで固定されることを意味します。

 いまや、中国やインド、ブラジル、ロシアには、世界的な巨大企業が次々と誕生しています。90年代のように、米国経済が減速すれば新興国はその何倍ものマイナスとなる時代ではなくなったのです。

 間違いなく、先進国と新興国のデカップリング(decoupling:分断、関係弱体化)がおきているのです。

 特に、米国経済が激しい勢いで地盤沈下を始めているのです。20世紀の初めには世界一の産油国だった米国は今では世界最大の石油輸入国です。石油価格の上昇とドルの暴落との相関係数はかつてないほど高まりました。危機に強いドルは完全に過去のものです。


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